身長差25㌢の、私と彼。
「そ、それにしても、結城くんって優しいんやね!お姉さんのいうこと聞いてあげたりして。」
気まずくならないように、何とか話を続けたくて、思ったことを言ってみる。
「そうかー?まぁ姉ちゃんには小さい頃色々世話になったしな。両親共働きやけん、飯は姉ちゃんがよく作ってくれたりしたし。」
「そっかぁ。そうなんやねー。」
うんうん、と相槌を打ちながら話を聞く。
姉弟で、色々な苦労を乗り越えてきたんやろうなぁ…。
「やっぱ姉弟っていいね!私、一人っ子やけん、羨ましい。」
「そーか?一人っ子の方が自由にできるけん、いいんじゃねー?」
「ウチは逆ー。目が届くから超キビシイよー?」
「なるほどな。確かに、加野屋さんしっかりしてるもんな。」
「まぁ、新幹線は乗り遅れたけどねー。」
「それは…まぁ……そういうこともあるよな?」
そう言いながら、チラッと私を見る結城くん。
「え、なにー?何か言いたいことでも?」
「いや、別に。…それよりさ、加野屋さん、俺と話すの慣れてきた?」
「え?」
確かに、いつの間にか結城くんを怖がらずに自然と話せるようになってる。
「確かに、ちょっと慣れてきたかな。」
私が正直にそう言うと、結城くんはちょっと嬉しそうに口角を上げて「なら、よかった。」と言った。そして真っ直ぐ私を見つめたまま、言葉を続ける。