身長差25㌢の、私と彼。

「この数時間で、結城くんが優しいってことがよく分かったよ!あと、目線の高さが合えば、全然怖くないことにも気付いた!」


その言葉を聞いてか、はたまた勢いに押されてか、びっくりした様子の結城くん。

ちょっと目を丸くしてたけど、目を細めた後、わずかに口角を上げた。

そして背もたれにもたれたまま、上半身だけ傾けて、一気に私の目の前まで顔を寄せてきた。


「へぇ?目線が合えば、ねぇ?」


結城くんの端正な顔が、文字通り、目と鼻の先にある。


結城くんの鋭い眼差しが私に向けられてるけど、怖いというよりむしろ、彼のその表情は色っぽく感じられて、急に心臓が跳ね上がった。


「…こうやって目を合わせてれば、怖くないってこと?」


「う、うん…。」


そのまま目の奥までじっと見つめられた私の顔は、次第に熱くなっていく。


すると結城くんはフッと笑って、

「やっぱかわいいな。」

なんて呟くから、もう、心臓が飛び出してしまいそう。


なんとなく、お互いに言葉を続けられなくなってシーンとなってしまった。


結城くんの視線から目を逸らせなくてそのまま硬直したままの私。


そんな私に目を合わせたまま、真剣な表情の結城くん。



そして。



結城くんの顔が更に近づいて、唇が触れ──

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