その恋は甘くて危険【番外編追加済み】
食べてみたいなぁと思いつつも、どうせ当たらないだろうから、抽選してみたこともない。
「あの、チケット当たったんですか?」
「あぁ、知ってるんだね。DOLCEで知り合いがバイトをしてるんだよ。チケットはそいつからもらったんだ」
「へぇ、そうだったんですか。でも、チケットは2枚分ないといけませんよね?」
「大丈夫だよ。そいつから2枚チケットをもらっていてね。多分誰かと行けってことなんだろうけど。まぁ、だから、ちょうどよかったよ」
なるほど。
その人は優しいんだなぁ……
2枚分のチケットを用意してくれるなんて。
私の思考は明らかにズレていた。
「あ、着いたよ」
その言葉で意識を目の前の建物に向けた。