辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
「他のやつらには内緒な?」

 と、顔の前で指を一本立てて、ロドリゴは執務机の後ろの棚から、酒の瓶とグラスを取り出した。グラスは二つ。
「氷を頼む」
「かしこまりました」

 今、ロドリゴが棚から出したのは、王都でしか手に入らないブランデーだ。たしか、二十年物だっただろうか。

 用意されたグラスに、ジャンは魔術で生み出した氷を三つずつ落とす。慎重に注がれたグラスを、ロドリゴは一つジャンの前に滑らせてきた。

「まあ座れ、そして飲め」

 主君の命令には逆らわない。まだ昼間だが、たまにはいいだろう。
 それに、このレベルのブランデーともなると、王都でもなかなか手に入らないのだ。王都と行き来している使者に時々酒を頼むこともあるけれど、一度も入手に成功したことはなかった。

「――忘れては、いないからな」
「知っていますよ、そんなことぐらい」

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