辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
ロドリゴが、兄のことをどれだけ大切に思っているのか、ジャンはちゃんと知っている。兄の墓はいつだって綺麗に掃除されていて、そこに辺境伯家の庭で育てられている花が供えられているのだから。
「……私は、いつ兄に追いつけるんでしょうね」
いつだって、兄の背中は大きいように感じられた。いつまでも、兄の背中を追い続けることができると思っていたのに。
「追いついているさ。俺のなくてはならない右腕だ」
「いつかは、ラース様が右腕になりますね」
口の中でほろりと広がるキャラメルの甘味。そしてそれを追いかけてくる胡椒の刺激。兄と自分の好物に、ひと手間加えるだけでこんな変化をするとは思ってもいなかった。
「その時には、ラースも支えてくれるだろ?」
「もちろんですとも」
お酒のつまみ、とエルが言っていたのもわかる気がした。
これは、大人だけの特権の味だ。きっと、子供には刺激が強すぎる。
「……私は、いつ兄に追いつけるんでしょうね」
いつだって、兄の背中は大きいように感じられた。いつまでも、兄の背中を追い続けることができると思っていたのに。
「追いついているさ。俺のなくてはならない右腕だ」
「いつかは、ラース様が右腕になりますね」
口の中でほろりと広がるキャラメルの甘味。そしてそれを追いかけてくる胡椒の刺激。兄と自分の好物に、ひと手間加えるだけでこんな変化をするとは思ってもいなかった。
「その時には、ラースも支えてくれるだろ?」
「もちろんですとも」
お酒のつまみ、とエルが言っていたのもわかる気がした。
これは、大人だけの特権の味だ。きっと、子供には刺激が強すぎる。