love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
甲斐は言葉を飲み込んだ。うん、と私は頷いて、
「分かってるよ」と言う。
甲斐は唇を噛み締めた。
甲斐はいつも私の死んだ後の世界を少しだけ経験する。
だから、何度も私の死を見ているはずだ。
何度も知り合いの死の報道を目にするのは、気持ちがいいものではないと思う。
「ああいう奴らは早かれ遅かれ、やらかすと思う。サッサと芽をつんどくのがいいと思う」
「今やっても、甲斐が捕まるだけだよ」
「でも、絶対許せねぇ。あー、ぶ××してやりたい、本当にもう、最悪の状態で」
話す内容の割に、淡々と語るのは、甲斐が本当に怒っているときだ。
「怖いから。いいよ、ちょっと、休もう」
そう言って、本堂の前の石段に誘導する。
甲斐は顔色が悪かったし、呼吸も整っていないように見えた。
「でも」
「いいから」
このまま進めば、また事件は起きるだろうから、休めるわけがないことは、私も分かっていたけれど。