love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
 その後一緒に部活に行き、帰りに一緒に帰ろうと言われたときには、少しだけ先輩への熱が冷めていた。

 その日の帰り道、私は雑居ビルの看板の下敷きになって死んだ。キスはともかく、身体を触られたのが良くなかったらしい。

 気づいたときには神社の境内で、甲斐と向き合っていた。
「あ、ども」
 と私が気まずさまじりに声をかけると、甲斐は苦笑する。

「何が悪かったよ」
 と聞いてくるので、
「先輩が胸触って来たから」
 と答えたら、甲斐が息を飲んで目を見張った。
 慌てて私は、手を顔の前で振る。

「それは今やんなくていい。でも、やっぱりキスから先は、未来変わっちゃった」
 と私は告げる。

「先輩と付き合うんじゃねーの?」
 と甲斐に聞かれ、私は首を横に振った。

「なんか、想像と違った」
 と言っておく。

 キスから先には進んだ。
 でも、私が大和先輩と付き合うのは、とりあえず保留にしよう、と思った。
 あの感じだったら、すぐに胸を触るその先に進もうとするのは明らかだったからだ。

「じゃ、とりあえず今日は帰るか」
 と甲斐が言って、手を伸ばしてくる。
 手を繋ごうという合図のようだけれど、もう、「手を繋ぐ」は大分昔にクリアしていた。

 私がぼんやりと眺めていると、甲斐はやや強引に手を取って来る。

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