love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
私と甲斐は、大和先輩とキスするはずだった3日前に戻って来たのだ。
「今回は、雑居ビルの看板の下敷きになって圧死だって。救急搬送したけど、間に合わなかったらしい」
と甲斐は私の死因を教えてくれる。
甲斐は何度も私の死を経験しているのだ。
私がこうして何度も神社の境内に戻って来るように、甲斐は自宅でニュースを見てから、神社にやって来るのだ。
「こんなの、いつ終わるんだろう」
私は甲斐に言うともなく言って、この繰り返される3日間を思った。
「美玖が死なない未来があるなら、そんときじゃねぇの」
と甲斐は言う。
でも、今回も美玖が生きててよかった、と甲斐は呟いた。
なぜ甲斐だけが私の死を覚えていて、私と同じように、この数日間を繰り返しているのか。
今分かっているのは、誰かと初めての体験をするなら、まず甲斐を通過しなければいけないということだけだ。