love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~

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 事件のことは家族に知られることになったけれど、大げさにしないで欲しいと親を通して学校に言ったら、学校では個人名は伏せた形での注意喚起に留まった。

 私の両親は甲斐に感謝していたけれど、甲斐の表情は暗い。

 事件の日から甲斐は私を避けるようになったし、声をかけても、軽い返事をするだけで、笑いかけてはくれなくなる。

 甲斐と一緒に帰ることはなくなり、話す機会も減った。

 きっと思い出すのもいやなんだろうな、と私は思う。

 甲斐は私が死ぬ度に、事故や事故のニュースを目撃しなければいけなかったのだ。気分がいいものじゃない。

 今回はそこに自分も巻きこまれたのだから、より不快感は強かったと思う。
 甲斐に距離を取られたのは悲しいけれど、仕方ないと思った。

 そのうちに甲斐が誰かと付き合っているとか、誰と急接近しているとか、色んな噂を周りの友達から聞くようになる。

 甲斐にある噂の出どころの一つは工藤だ。
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