love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
 だからこそ、遊ぶ約束をしていたのに除け者にされたとき、もう、仲間として遊ぶのは無理かもしれない、と思った。
 週末自宅に自分から呼び寄せておきながら、「美玖今日は無理、別の奴らと遊んどいて」と言われて、追い出された。
 そんなことが続き、しばらくしてから、学校で仲間内の雑談で甲斐が私のことを「アイツじゃたたない、ナイわ」といったふざけた話が耳に入ったとたんに、決定的に、ああ、この関係は遠ざけよう、と思ったのだ。

 教室の前を通りがかったときに、たまたま会話が耳に入った。
 途切れ途切れだったけれど、耳慣れた甲斐の声はつい拾ってしまう。

「美玖はナイわ、たたないって」
「でもズルくね?気軽に誘える距離感にいるって」
「佐久良アリだけどな」
「距離近いってのがホントに気軽だと思ってんの?お前ら、だからモテないんじゃね?」
「うっせぇ」

「美玖はナイ。オレはやりたいだけなら、楽なとこ行くわ」
「楽なとこって誰だよ」
 と周りがげらげら笑う。

「あ、けど。誰かタイプの子いれば、それとなーく繋いでやろっか?誰かいる?」
「マジで?」
 そんな流れだったから、聞くに堪えなくて途中で逃げた。
 他の男子が言っている分にはいいけれど、甲斐が私のことをそう言っているのは、イヤだったのだ。
< 7 / 109 >

この作品をシェア

pagetop