love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
 ショーツをおろされて、甲斐がボトムスの前を開ける音がした。
 そのまま触れてくる感覚があって、あ、と気づく。そして即座にそれは、まずい、と思う。

「甲斐、それはダメだって」

「こういうの、ちゃんとしてるんじゃねぇの?誰と何回やってんだよ」

 さっきの話を蒸し返して来るとは思わなかった。甲斐がこんな風に嫉妬を滲ませるような言い方をするのは、珍しい。

「今日は、ちゃんとしてない。するつもりなかったし」

 気を抜いていたのは、たしかだ。結婚を申し込まれるなんて想像していなかったし、それを受け入れているのも信じがたい。

「するつもりで来いよ、大人同士なんだから」

「そういう関係じゃ」

「今はもう、そういう関係だよ」

 かすれる声で耳元で囁いてくる。
 そういう関係。こういうことをする関係?

「誰とって言うけど。そんな、やってないよ」
 と言えば、嘘つけ、と少し苛立ちまじりに触れてくる。
 声が出て上半身が崩れそうになるのだ。
 やっぱり感触が、と言いながら甲斐が吐息をもらす。

 誰と何回と言うけれど、気まぐれに誰かと付き合っても、別れるのも早いから、そんな機会は多くない。なんなら、甲斐と一番してると思う。
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