冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
「悪かった。でも可愛い声出されたら、止められないのが、男だ」
「全然、反省してない」
背後から抱きつき、頬にチュッとご機嫌を取る霧矢を睨んでも、反省の色を見せず、ご機嫌でいる男に、何を言っても時間の無駄だと諦めた。
「もう、帰る。帰るからね」
「仕方ない、送って行く」
車で10分ほどの距離を送られて、砂羽は慌ただしく車を降りて運転席へ回る。
「送ってくれてありがとう。霧矢さんは時間大丈夫?」
「あぁ、問題ない」
「なら、いいけど。お仕事、頑張ってね」
急いでいる砂羽は、手を振り、駆け足で去ろうとする。
「砂羽、忘れ物」
「えっ」
戻ってきた砂羽の手のひらに、霧矢の部屋のスペアのカードキーがのる。そして、唇にチュッとキスする霧矢。
「仕事帰りは、これで開けて待ってろ。なるべく早く帰る」
そういうなり、「じゃあな、お前も仕事頑張れよ」と言って車は去っていった。
「私の意見は聞かないの⁈強引なんだから」
文句を言いながらも、夜、会える時間を楽しみにして部屋へ駆け出す砂羽だった。
その日から、着実に霧矢の包囲網は進行する。
5日連続で朝帰りして、準備に追われる砂羽は、とうとう、霧矢の求めを拒んだのだ。