俺様同期の溺愛が誰にも止められない
自分の気持ちに気が付いてから、私は少し気が楽になった。

「失礼します、お食事の用意をしてもよろしいですか?」
「はい、お願いします」

15階建ての病院の最上階にある特別室は身の回りの世話をするスタッフや専属のシェフもついた超豪華な仕様で、まるでホテルのように快適に過ごせている。
おかげで素晴の経過も順調で、退院の日もすぐに決まった。

「そう言えば、高杉先生から俺と一緒に碧も夏季休暇をとることになったって連絡が来たんだが、聞いているか?」
「ええ。明後日の退院から1週間って聞いているわ」

高杉先生や部長にすすめられ、私も夏休みを取ることにした。
素晴も退院後は自宅療養の予定だし、一緒に過ごそうと思っている。

「せっかくだから、ゆっくりしよう」
「そうね」
「それで、お願いなんだけれど」
思わせぶりな表情で、素晴が私を見る。

「何?」
なんだか嫌な予感しかしないけれど・・・
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