カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
 手紙の中に、その言葉を思い出させる何かがあったんだろうか?と思う。いずれにしても、俺の心は決まっているので、返事は決まっていた。

「当たり前じゃん」
 と言ったら、白那はなぜか泣きそうな顔になる。
「できれば、幻滅しないでほしいな。瑠璃也に期待外れって言われたら、多分もう立ち直れないから」

 推したちはともかく、蒼真が言ったことだとすれば、それは本心じゃないと思う。幼稚な愛情表現だ。
 でも、白那を傷つけたのは本当だし、俺個人が貶し系の愛情表現は嫌いなので、あいつのフォローはしてやらない。

「幻滅はない。それに意外にも色んな人に応援されているんだ。俺は元々白那を離すつもりないんだよ。心だけは白那次第だから、ずっと片思いだったけど」
「両想いだよ、もう」
 念を押してくる白那にキュンとする。

「うん」
「私が瑠璃也の指輪するね。だから、瑠璃也は私の用意してくれると嬉しいな」
 白那の提案に、俺は言葉を失う。
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