片思いの相手に偽装彼女を頼まれまして
「カクテル……カシスソーダとプレリュードフィズ?」

「カシスソーダはあなたは魅力的、プレリュードフィズには真意を知りたいって意味がある。茜にカクテル言葉を調べさせ、俺の気持ちを察して貰おうとした」

「そうだったの。ごめんなさい、調べられなくて」

 誠は静かに首を振る。

「いや、今から考えればこれでいい。顔を上げて? 俺のありのままの気持ちを聞いて欲しい」

 胸からそっと剥がされたので、私は誠を見上げた。これより『あなたが好き』そう伝え合う神聖な儀式が始まる。

「母さんから恋人を紹介しろと言われた時、茜以外を紹介するつもりは無かったよ。さっき話したやり方で、なし崩し的に恋人になれればという下心もあった。ずっと、ずっと茜を想っていた分、振られるのが怖くてさ」

 涙を拭ってくれる指は少しだけ震え、繊細なものを扱うよう触れてくる。

「自分でお願いしといてだけど、偽装彼女なんて嫌だ! 1日限りの恋人じゃ嫌なんだ!」

「誠……」

 私は頬を擦り寄せ、目を閉じた。

「俺ーー茜が好きだ」

 これ以上ないシンプルな告白に胸が熱くなる。次は私の番だ。
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