氷の華とチョコレート
『本当はね、瑛生くん甘いのダメなんだよ? 好きになれそうな人が出来たらここに連れてくるって約束して、今日はじめて来てくれたの』
「……」
顔がどんどん熱くなる。こんなこと、私の口から言えません……。
「ごめんなさい、……女の子同士の、秘密です」
「……」
少しだけ赤くなったムクレ顔で、真間さんは、仕方なさそうにケーキを口に運ぶ。そんな様子が可愛らしくて、嬉しくて……。でも、一つだけ、どうしてもお礼が言いたくなった。
「あの、……甘いの本当は苦手なのに、ここへ連れて来てくれてありがとう」
直後…――
「―――……ンぐっ!?」
急に咳き込む真間さんに、あわててお水を差し出した後、私も、気を取り直してケーキを口に入れた。
うわぁ、美味しい♪
さっきまでとは全然違う、甘くて暖かくて優しい、そんな味が口に広がって、とても幸せな気分になれた。