双子アイドルは俺様暴走族!
「んん~……」
あたしは腕組みをして考える。
女たらしなんて言っても、やっぱり【ツインズ】の弱みとまではなかないだろうし。

コンサート中の2人を見ているとみんなが騒ぐ理由もわかる。
ただ、1つ気になることと言えば……。
「そういえば、晴の方が『黒猫』って言ってたなぁ」

あたしはポツリと呟いた。
「黒猫……?」
ハジメがフッと目を細める。

「うん『もうすぐ帰る。それまで白狗との喧嘩はやめておけ』とか『黒猫の頭はこの俺だ』とか。よくわかないけど」
あたしはあの会話を思い出してそう言った。

結局晴が何の話をしていたのか、最後までわからなかった。
「へぇ……そう……」
ハジメが低い声でそう言い、一瞬口角を上げて笑ったように見えた。

そんな笑い方をするハジメは今まで見たことがなくて、あたしは瞬きをする。
しかし、すでにいつも通りの笑顔を浮かべているハジメ。
あたしの気のせい?
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