双子アイドルは俺様暴走族！
列に並んでいる数分間の内に何度もそれを繰り返されて、やっとパンを購入できたときには逃げるようにその場から離れた。
「全く、人でからかうのはやめてほしいわ」

あたしと晴の噂が流れ始めた頃から、時折このようなイタズラをされるようになった。
それは陰湿なものではなく、晴の彼女ってどんな子だろう？

という程度の素朴なイタズラばかりだった。
しかし、どうやらこの日は違ったらしい。

パンを抱えて教室へと戻っている途中、クラスメイトの美女軍団とすれ違った。
瞬間。冷たい視線を感じる。

あたしはその視線を無視したが、何かが切れるようなシュッ！という高い音が聞こえてきた。
なにかと思い立ち止まる。

キョロキョロと周囲を見回したり、自分の姿を見える範囲で確認したが、なにもない。
小首をかしげながら教室へと戻ってくると、晴がその音の正体に気がついた。

「お前、スカート切れているぞ？」
「えぇ！？」
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