双子アイドルは俺様暴走族!
☆☆☆

「カヤ様、カヤ様起きてください」
ユサユサと肩を揺さぶられて、あたしは今口に運ぼうとしていたパンを地面に落としてしまい、そのまま目が覚めた。

「ん……パン……あたしのパン……」
もにょもにょと呟き、手を伸ばしてパンを探す。
「パンなどはございません。秋原高校に到着しました起きてください」

「んん~……秋原高校ぉ~……?」
何言ってるのこの人、あたしの通う学校は桃谷高校だよ……。
そう思いながらようやく重たい目を開く。

するとそこには見知らぬ白髪の男性が困った顔を浮かべていた。
ここは、どこ?
一瞬すべての記憶が消えてフリーズするあたし。

「あの、あなた誰ですか? ここはどこ? なにこの高級車!? まさか人さらい? 助け……!!」

声を上げようとした時、紳士に手で口をふさがれてあたしの言葉はモゴモゴと消えて行った。
「カヤ様、さきほども説明しましたがあなたは今日から秋原高校へ通うことになりました。【ツインズ】の2人の坊ちゃまの付き人として」
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