双子アイドルは俺様暴走族!
それって褒めてないよね?
むしろけなしているよね!?

「じゃぁ、松井の机はあそこだから」
先生はあたしとけなしたことなど微塵にも悪いと思っていないようで、ビシッとあたしの席を指差した。

その指にそって見てみると……。
「ウゲッ!」
あたしは思わず潰されたカエルのような声をあげた。

先生が指差したその先は、【ツインズ】2人に挟まれている机だったのだから。

昨日1日で【ツインズ】のすごさは理解できていたから、2人がA組だろうなぁという予想はできていた。
あたし、2人の付き人だしね……。

でも、だからってあの席はひどいんじゃないかな!?
毎日毎日見たくもない同じ顔のイケメン君に挟まれて授業をするなんて、どんな苦行でしょうか?
「い、嫌です先生! 席替えを希望します!!」

ビシィッと手を挙げて意見すると「断る!」と、すぐに言い返された。
むむむ……。
敵は手ごわいぞ……。

「松井は【ツインズ】の付き人なんだから、2人の近くに座るのが一番いいだろ?」
そう言い、ポンッとあたしの背中を押す。
あたしはヨタヨタとよろけるように歩き、渋々自分の席へとやってきた。
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