アリス人形
三日月ウサギと帽子屋はなにやら話し合いをはじめている。

こういう時は大人しくしている方が利口だ。そう、本能的に覚えたのはいつだったか…。

亜里珠はボンヤリとお菓子の山を見つめていた。

別にお腹が空いているわけではない。

頭の中が騒がしい。

まるで、爆弾を抱えているような…誰か…私以外の誰かがいるような…そんな感覚に襲われていた。

しかし、原因がわからない。

(でも、どうしてだろう?)

小さく首をかしげ、亜里珠は目を細めた。

(胸騒ぎを…心地よく感じてる…?)

「やあ、待たせたね。」

話し合いが終わったのか、三日月ウサギが顔を覗いてきた。
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