シテくれないわたしの彼氏~モンスターバトル~

条件確認

 その後、話が終わり、くれぐれも無茶はしないで、と口々に言いながらご両親が去っていった。

 私と彼はさっきまで隣りあって座っていたので、対面に移動する。
 私はなんて話しはじめよう、と思っていたけれど、彼が出し抜けに言ってきた。

「村瀬さん、前に経験しそうになったらどうする?って言っていた相手。今連絡取れる?」
「え?なんで?」

「他の人と経験するっていうのを達成してほしいから」
「でも、私まだ、条件を達成するなんて言ってないけど」
「成が関わっていなければ良かったけど。成が関わって来るなら、急がないと」

「でも、条件を達成しなくても付き合っていくケースもありって言ってたのに」
 私の言葉に彼は黙り込んでしまう。

「村瀬さんを成には渡したくないんだ。でも、自分の理論も曲げられない」
「意味分からないよ。理解できない、他の人なんかなくっても、ただ一緒に……」

「それじゃあ、オレ達別れることにしよう。傷が浅いうちに」
「な、そんな話じゃなかったのに。なんで?」

「成が関わらなければ。別れたくないなら、その人に連絡して」
「意味分からないよ。別れたくないなら、他の人と連絡を取ってって、おかしい」

「父も母も言っていたけど、多分、オレはおかしいんだと思う。でも、村瀬さんのことは好きだよ」
「好きなのに、他の人としてもいいんだ?私は岸井さんが他の人とするのイヤだって思うのに」

「モニタリングしたい。自分の感情と村瀬さんの感情を」
 私はスマホの画面を見つめている。
 この前のやり取りの後に、若槻から連絡が来ていたみたいだけれど、既読はつけていない。
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