シテくれないわたしの彼氏~モンスターバトル~
「オレは重いよ」
 と言っていた言葉が、今頭に浮かんだ。
 たしかに、重い。とてつもなく。

 とはいっても、私はそんなに従順じゃない。
 彼のことを放すつもりはないけれど、全ての条件をそのまま飲むようなつもりもない。

「今から若槻くんに連絡するつもりだよ。そして、条件の達成を頑張るつもり。でも、そのままの条件を飲むのはイヤ」
「どういうこと?」

「条件を達成する間に、ご褒美は欲しいの。岸井さんに触れてほしい。別れるっていう条件を達成するまでは、会う時間が欲しい」
「それだと条件が変わってきてしまう気もするけど」

「かなり譲ってると思うよ。本当なら、したくないんだもん」
 私の言葉に彼は少し思案して、それから「いいよ」と言った。ひとまず、これで五分五分になったと言える。

 私は若槻とデートの約束をした。その画面を彼に見せてから、私は彼の鼻先に指を押し付ける。彼は瞠目して、こちらを見てきた。

 今度は私のターンだ。
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