君の隣で歌いたい。
土井ちゃんは片手で私を抱きしめ、片手で犬を撫でるように沢里の頭をわしゃわしゃした。
こんなに喜んでくれるなんて、感無量だ。
ふと土井ちゃんの背後に一人の女子がいることに気付く。
土井ちゃんが誘った友達だろうか。
深くキャップ帽を被り俯いているので心配になり土井ちゃんに目で訴えると、土井ちゃんは思い出したようにその子を私たちの前に引っ張り出した。
「ほら、言うことあるんでしょ!」
まだ俯いてモジモジとしているが、その雰囲気に覚えがある。
私はその子の帽子のつばをつまみ、くいっと上に持ち上げた。
「あ」
「み、美奈!?」
いつもの派手なメイクをしていないが、確かにあの美奈だ。
私に掴みかかってきた時とはうってかわって恥ずかしげにまたキャップで顔を隠してしまう。
土井ちゃんが連れてきたのだったらどういう風の吹き回しなのか。
したり顔の土井ちゃんが説明し始める。