君の隣で歌いたい。
「……、」
「ん?」
小さく聞こえた返事に顔を向けると、沢里が耳まで真っ赤になって俯いている。
「どうしたの」と声をかけると悔しそうな嬉しそうなよく分からない顔でこちらをじっとりと見てきた。
「リンカ、それはずるいよ」
「なんで? 沢里は私と歌いたくない?」
「そんなわけない! 俺もずっとずっと、一生リンカと歌いたい!」
それを聞いて私は胸を撫で下ろす。沢里と同じ気持ちでいられることが嬉しい。
未来の約束ができたことに安心する。
「約束だよ」
「それ分かって言ってる?」
「もちろん!」
「絶対分かってない」とぶつぶつ言って背中を丸める沢里がなんだかかわいく見えて、
「ね、沢里」
「ん?」
「大好き」