夫婦ごっこ
 義昭から奈央を拒絶する気配は一ミリも感じなかったから、奈央はもう大人しく義昭に自分を預けた。強張っていた心を解きほぐしてしまえば、恋の心地よさに包まれていく。苦しいばかりだったはずの心が、甘美な疼きに支配されていく。今まで抑えつけていた気持ちが一気に爆発して、義昭を好きな気持ちで身体中が満たされた。奈央はもううわ言のように義昭に好きの言葉を吐きだし、それを義昭にすべて受け止めてもらいながら、深い深い眠りへと落ちていった。
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