夫婦ごっこ
「うん……でも……だとしても義昭さんはお義姉さんのことが……」
「やっぱり奈央さんはそこを気にすると思った。だから、今日それを確かめてきたんだよ」
「え……?」
「本当はね、もっと前から奈央さんへの気持ちが生まれてることに気づいてたんだ。奈央さんと一緒に眠るようになった頃からかな。奈央さんへの気持ちを自覚しはじめたのは。奈央さんが告白してくれたときには、もうほとんど確信を持っていたし、すぐにでも返事をしたかった。でも、姉さんとのことにちゃんと向き合ってからじゃないと奈央さんを不安にさせるんじゃないかって思ったんだよ。だからね、今日姉さんに直接会ってちゃんと確かめてきたよ」
そこまで言われて今日の用事が慶子を訪ねることだったのだと理解した。奈央も義昭への想いを自覚したあと、修平への想いが変わったのかどうかを確かめるために会いに行った。だから、義昭も同じなのだとわかる。その行動に出るということは本当に奈央のことを好きになってくれたということだろう。奈央はここにきてようやく義昭の気持ちは本物かもしれないと思いはじめた。
けれど、慶子への想いが残っている可能性は十分にある。奈央以上に長く想い続けているのだから簡単に変わるわけがない。そう思うとこの先を聞くのはとても怖かった。奈央に気持ちはあるけど、慶子への気持ちもまだ残っていると言われたら、奈央はきっとどうすればいいのかわからなくなる。
「そんな顔しなくても大丈夫。何度も大丈夫だって言ったでしょ?」
「だけど……」
「本当に大丈夫だよ。たぶん奈央さんも同じだと思うけど、好きだった気持ちを全部忘れたわけじゃないんだ。姉さんを前にすると思い出しもする。でもね、もう思い出すっていう感覚にまで変わってるんだよ。今僕の心を常に占めているのは奈央さんだから」
その気持ちもよくわかった。全部が消えてなくなるわけではない。奈央も修平への気持ちは覚えている。でも、もう恋というものからは遠ざかって、想い出に昇華されている。今は義昭に向ける感情のほうが遥かに濃くて強い。
そういう感情まで奈央と同じなのなら、本当にもう全部信じて受け入れてしまってもいいのだろうか。少しずつ少しずつ期待が膨らんでいく。
「姉さんと話をしていても、奈央さんのことが何度も思い浮かぶんだよ。早く自分の想いを伝えたくてたまらなかった。奈央さんが好きで好きでどうしようもないって強く自覚した。だから、急いで帰ってきたんだ。一分でも一秒でも早く伝えたくて。奈央さんが好きだって」
「やっぱり奈央さんはそこを気にすると思った。だから、今日それを確かめてきたんだよ」
「え……?」
「本当はね、もっと前から奈央さんへの気持ちが生まれてることに気づいてたんだ。奈央さんと一緒に眠るようになった頃からかな。奈央さんへの気持ちを自覚しはじめたのは。奈央さんが告白してくれたときには、もうほとんど確信を持っていたし、すぐにでも返事をしたかった。でも、姉さんとのことにちゃんと向き合ってからじゃないと奈央さんを不安にさせるんじゃないかって思ったんだよ。だからね、今日姉さんに直接会ってちゃんと確かめてきたよ」
そこまで言われて今日の用事が慶子を訪ねることだったのだと理解した。奈央も義昭への想いを自覚したあと、修平への想いが変わったのかどうかを確かめるために会いに行った。だから、義昭も同じなのだとわかる。その行動に出るということは本当に奈央のことを好きになってくれたということだろう。奈央はここにきてようやく義昭の気持ちは本物かもしれないと思いはじめた。
けれど、慶子への想いが残っている可能性は十分にある。奈央以上に長く想い続けているのだから簡単に変わるわけがない。そう思うとこの先を聞くのはとても怖かった。奈央に気持ちはあるけど、慶子への気持ちもまだ残っていると言われたら、奈央はきっとどうすればいいのかわからなくなる。
「そんな顔しなくても大丈夫。何度も大丈夫だって言ったでしょ?」
「だけど……」
「本当に大丈夫だよ。たぶん奈央さんも同じだと思うけど、好きだった気持ちを全部忘れたわけじゃないんだ。姉さんを前にすると思い出しもする。でもね、もう思い出すっていう感覚にまで変わってるんだよ。今僕の心を常に占めているのは奈央さんだから」
その気持ちもよくわかった。全部が消えてなくなるわけではない。奈央も修平への気持ちは覚えている。でも、もう恋というものからは遠ざかって、想い出に昇華されている。今は義昭に向ける感情のほうが遥かに濃くて強い。
そういう感情まで奈央と同じなのなら、本当にもう全部信じて受け入れてしまってもいいのだろうか。少しずつ少しずつ期待が膨らんでいく。
「姉さんと話をしていても、奈央さんのことが何度も思い浮かぶんだよ。早く自分の想いを伝えたくてたまらなかった。奈央さんが好きで好きでどうしようもないって強く自覚した。だから、急いで帰ってきたんだ。一分でも一秒でも早く伝えたくて。奈央さんが好きだって」