夫婦ごっこ
「義昭さんとずっと一緒にいられたら嬉しい。すごく幸せ」
「僕も幸せだよ」
「私ね、初めてなの。自分の気持ちを受け止めてもらったのも、同じ気持ちを返してもらったのも」
「うん、僕も初めてだよ」
「すごいね。両想いって。こんなに満たされるんだね。泣きたくなるくらい幸せだね」
「そうだね。僕も身体中が幸せで満ちてる。奈央さんへの想いが溢れて止まらない。好きだよ、奈央さん。愛してる。本当に愛してるんだ」
「私も。私も義昭さんを愛してるよ。ふふ、両想い、嬉しい」

 本当に嬉しくてたまらなくて、勝手に頬が緩んでしまう。そのまま締まりのない顔を晒していれば、義昭に熱く口づけられて、奈央はさらに嬉しくなってしまった。義昭が奈央を強く求めているとわかって嬉しくなったのだ。

「はあー、奈央さんがかわいい。奈央さん、もうしばらくこうしてていい? まだ奈央さんのぬくもりを感じてたい」
「私も。まだ義昭さんとくっついてたい」
「じゃあ、今日は飽きるまでいちゃついてようか」
「うん、そうしたい」

 結局、夜になってもベッドの上でいちゃついていた二人は、今日はもうデリバリーでいいかと適当に夕飯を頼み、本当に飽きるまでずっとくっついていた。とても密度の濃い時間を過ごした。もう互いを想い合っていることは疑いようもない。これからはもう百パーセント全開で義昭を愛していける。そのことが今まで生きてきた中で何よりも嬉しい。好きな人に好きと堂々と言えることが、そして、その日々がずっと続いていくことがどうしようもなく嬉しかった。
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