私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編


「………………あの……俺に何か……?
 あっ、香音とは別れませんから!」

「ふふっ、もういいわ………そんなこと
 香音ちゃんが………幸せならいいのよ」

「絶対に幸せにします」

「…………ただし
 結婚する前に腕を治して
 治ったら認めてあげる」

「………………もし治らなかったら……?」

「山中先生はとても優秀なの
 絶対に治すに決まってるわ
 あなたこそ、そんな弱気でいいの?
 香音ちゃんと結婚したいんじゃないの?」

「っ!
 絶対に治します!!」

「治療費はこちらが持つわ
 だからあなたは何も気にせず腕を治しなさい」

「いや、そこまでしてもらう訳には!
 手術受けさせてもらえるだけで感謝してるのに…………治療費までは…………」

「いいのよ
 あなたが払うにも限界があるわ
 もの凄く高いから」

「それはなんとかなります!
 親父に頼めば…………親父に一生かけて返していけば………」

「……やめておきなさい
 そんなことしたら香音ちゃんまで大変なことになるんだから
 香音ちゃんの旦那さんになるんだから…………これくらいさせて頂戴
 香音ちゃんには母親らしいこと何もしてあげられないから……………これくらいはね」

「………ありがとうございます
 絶対に香音を幸せにします」

「香音ちゃんのことよろしくね
 あと、あなたのお父さんにもね」

「え、親父もですか?」

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