君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

……多分、それは無理ですよ!


遥陽さんはリラックス出来るかもしれないけど私は緊張で集中出来ないと思う。


それに、家族の人はいないと言っていたけどそれが尚更私の緊張を高める。


ふ、2人きりで部屋で勉強だなんて、大丈夫かな……。


たくさんの不安を抱えながら電車に揺られること20分。



「ここが俺の家。緊張しなくてもいいからね」


「は、はい!」



遥陽さんの家の最寄り駅から数分歩いたところに家はあった。


緊張がクライマックスになり、たどたどしく靴を脱いで部屋に案内される。か、菓子折りとか持ってきてないけど大丈夫かな。


私、この緊張に耐えられるかな。


キョロキョロと視線を泳がせながらちょこんと用意されていた座布団の上に座る。



「飲み物とか持ってくるから、先に勉強道具広げてて」


「はい」



ソワソワしていると遥陽さんはそう言って部屋を出ていった。
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