君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。


ーキーンコーンカーンコーン……。


4時間目が終わるチャイムが鳴り響く。その途端にザワザワと騒がしくなる教室。


私は1枚の紙を見ながら、ほっと胸をなでおろしていた。



「初優ー!テストどうだった?赤点回避した?」



紙を見ているとお弁当を持った紗夜が私の前に椅子を持ってきて向かい合わせになって座る。


今日で期末テストが全て返って来た。


最後に配られたテストは1番苦手な数学。テストのことでクラスでの話は持ち切りだった。


誰が赤点をとったとか、夏休みをどうするかとかクラスメイトは夏休みを前にイキイキと話をしていた。


私だって例外じゃない。


このテストで夏休みの運命が決まるといっても過言ではない。だからいつも以上に力を入れたし、寝る間も惜しんで勉強した。


そのかいあって私は……



「無事に全教科赤点回避したよー!」



数学のテストを紗夜に見せびらかす。1番不安だった数学のテストは赤点ボーダーラインギリギリだったけどなんとかセーフだった。
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