君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

「おー!おめでとう!これで夏休み遊べるね!」


「紗夜のおかげだよ!ありがとう!」



紗夜は私のテストを見ると手を叩いて祝福してくれた。なんだかんだ言ってテスト期間最後の方は紗夜にも教えてもらったので本当に感謝しかない。


あれだけ勉強を教えるのは嫌だって言っていた紗夜。だけど勉強を教えてもらってよくわかった。紗夜はやっぱり教えるのが上手いって。



「冷泉さんと勉強会したかいがあったね」


「へぁ!?う、うん!」



紗夜に勉強会のことを言われ、過剰に反応してしまった。紗夜には軽く勉強会のことを話したけどキスをしたことは言っていない。


だから、その話になると敏感になってしまう。


だ、だって紗夜にキス……したとか言えるわけないから!



「なーに?その反応は。やっぱりなんかあったんでしょ?」


「な、なんにもないって言ってるでしょー!」



勘のいい紗夜は私の反応を見ると面白がっていつも追求してくる。
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