君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

言われてみれば知り合ってから1度も遥陽さんと会うとかそういう話にはならなかった。電話もあの時の1回だけだし……。


メッセージは変わらず毎日続いていて最近はおはようとおやすみのメッセージを送るのが日課になりつつあった。


それはそれで楽しいんだけど……。



「2人のペースで進めばいいって言ったけどそろそろ会ってもいいんじゃない?冷泉さんからそんな話出てこないの?」



紗夜の疑問は最もだった。


痛いところを突かれ、うっと言葉につまる。



「そんな話はない、かな。電話もあの1回だけだし……。そんな話が出てこないってことは私に興味無くしたのかな……」



思わず漏れた本音。


言い終わってからはっと口元を抑えるがもう遅かった。紗夜の方を恐る恐る見ると、目を大きくして驚いている。



「う、初優がそんなこと言うなんて……!つまり初優は冷泉さんに会いたいって思ってるのね!?」


「えっ、や、ちが……」
< 36 / 232 >

この作品をシェア

pagetop