天才魔法使いは意地っ張りな努力家魔女に恋をする

4話 短期間の恋愛もどき



ある日、1人の女子生徒が告白をしてきた。同じ特別進学科のクラスの、そばかすの可愛いサリーという子だ。彼女は僕の出来る事に誰よりも食いついてきた子で、勉強を教えていても、いつも教科書ではなく僕を見ていた。

その日もいつも通り皆に勉強を教えた帰り、サリーだけなかなか離れないと思ったら、案の定胸の内を明かされた。来る者を拒まない性格がここでも出てきてしまい、ついOKしてしまった。何かと僕に突っかかる割には成功すると笑顔を見せてくれるオリビアが気にならない訳でも無かったが、からかうのが楽しいだけで、まだ好きという程では無かった。

サリーは、僕が他の女子に勉強を教えるのを嫌がった。自分だけに向き合って欲しいとねだる。それもそうかと言われた通りにしたら、だんだん、ノートを写させて欲しいだの、宿題を代わりにやってくれ、等と要求が増えてきた。しまいには、ホウキの2人乗りが出来る僕を移動の足にした。この子はきっと僕の能力に惚れていたのだろう。
僕は疲れてしまい、1週間で別れを告げた。

別れた直後、待ってましたと言わんばかりに、また言い寄ってくる女の子が現れた。今度は専門学科のアンナだ。かなりの美女だ。ちょうど彼女も前の相手と別れたところで、今度は僕に目をつけたという訳だ。今度も僕はOKした。我ながら節操が無いと思う。

アンナは、僕の成績や魔法の腕には興味が無いようだった。ただ、僕の見た目を自分好みにしようとした。坊主頭の僕に髪を伸ばせと言ってきたり、デートの度に服装に文句をつけてきた。僕のどこを好きになったのだろうか。そして僕と付き合う傍ら、他の男をちょくちょく誘っては思わせぶりな態度を見せているみたいだった。

段々面倒臭くなってきて、1ヶ月くらい経った頃に別れを告げた。すると彼女は怒り、本心をさらけ出した。やたらと目立つ僕を彼氏にしたら友達に自慢出来ると思っていたらしい。それに他にも自分の彼氏に立候補する男はいくらでもいると自慢する。僕も文句を言えた立場では無いが、これにはさすがに呆れた。まぁ、おかげで後腐れなく別れる事は出来た。

その後も色んな人と気軽に交際する日々が続いた。付き合ってもすぐに別れるから、周囲には今彼女がいるのか、いないのかもよく分からなかったみたいだった。でも、前の学校でやっていたみたいに、付き合っている途中での乗り換えはしないようにした。当たり前のルールをようやく自分に課す。

こんな子もいた。控えめだけど笑顔を絶やさない、メガネをかけた小柄な女の子、マリィだ。僕と目が合った時にニコッと笑ってくれたのが嬉しかった。誰にでも優しく出来る所もいいなと思った。だから、これが本当の好きという気持ちだと思い込んだ僕は、授業のグループ活動で一緒になった時、恋愛話になった流れで「付き合う?」と声をかけてみた。彼女は黙って頷いて、交際が始まった。

しかし、相性が良くなかった。彼女がドジを踏んだ時にからかってみたら、笑顔で受け流されてしまい、拍子抜けする。なんだか、思っていた反応と違う。そして彼女は僕の茶化し方が本気で嫌だったようで、懲りずに何回か繰り返しているとある時泣かれた。僕は慌てて謝ったが、それをきっかけにだんだんと気まずくなった。結局彼女の方から別れを切り出されたのを、すんなりと受け入れた。

合わない所があるならば合わせてみるのも長続きするコツというのは分かっている。少し話し合えば上手くいく事もあったと思う。でも、僕は誰に対してもそれをしようとしなかった。合わせたいと思う程の気持ちでは無かったのだろう。

僕は自分が恋人に何を求めているのか分からなかった。見た目が可愛い子か?性格が良い子?マリィには特にそう思う。彼女に冗談を言ってみた時、僕は何を期待していたのだろう。どんな反応が欲しかったんだ?怒って言い返そうとするが失敗し、悔しいと憤る姿だろうか。



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