運命の”アイ”ナンバー
今晩はお肉じゃなくて魚の気分だったけど母さんと外食なんて久しぶりだからな、今日くらいは我慢しとく。

そう言えば、そう言えばで始める話題でもないけど最近音楽聞いてないな。最後に聴いた曲なんだっけ?

会いたいと毎日思っててそれを君に知って欲しくて……

「母さんってラブソング名に聴いてたの?」

「んー。尾崎豊かなー。I LOVE YOUって曲」

わかんない。帰ったらきいてみよ。

「いきなりどうしたの?もしかして好きな人でもできたとか!どんな子なの?母さんにも紹介してよ~。今度家に連れてきてよ!まさかのぞみにね~。ふ~ん」

すごい食いつき、例え43歳になったとしても女性は恋バナの方が美味しそう。食べてる時より口が動いてる。

「ハンバーグ冷めるよ」

明日は休みだからと甘くみてた、ちょっとニンニク増し過ぎたかも。食べてて自分でも分かるくらいの臭いだから他の人からしたら相当なものかもしれない。母さんに言われるのは構わないけど一応帰ったら念入りに歯磨きしとこ。

「何かいいことでもあったの?それともまた小説の事?」

え?…ああさっきの質問の事か。

「別に、アイナンバー制度のこと考えててさ」

「そう。のぞみももうすぐで卒業だもんね」

「母さんは父さんと結婚して幸せだった?」

「もちろん。あなたと桜が生まれてきてくれたからね」

「離婚したのに?」

「……素直なところが治ったらその好きな子から告白されるかもしれないね」

素直なのは良いところだろ。笑顔で言わないでくれ僕が悪かったから。

「のぞみ明日休みでしょ?母さんまた遅くなりそうなんだけど」

「大丈夫だよ。適当に食っとく」

「ごめんね。ありがと」
別に気にしなくてもいいのに気にし過ぎだ、2年も続けてたらもう慣れっこだよ。

今僕の中に何か1つあるとすればスーツ姿の母親とファミレスに来ている高校3年生男子を他者がどんな目で見ているのか気になるところだけれど、その辺はまあ何とも思ってないだろうな、僕の母親だし。帰る時コンビニに寄ってもらお。

ブレスケア買うついでにアイスかプリンかアロエヨーグルトか、何か奢ればいいよな。ぶどうジュース僕も飲んでみるか。


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