運命の”アイ”ナンバー
昨日は買い物に行ってないから今出せるお菓子なんてブレスケアかアロエ味のグミしかなしぞ。

ここ2,3年碌に友達どころか和樹だって来てないから何出せばいいか、あれがあったな。

「お待ち堂さん」

「おー。いつもののぞみさんですね。人間シャキッとしていた方がいいですよ。手に持っているそれは?」

「どっかの誰かさんが急に来るからお茶もお菓子も用意できなかったんだよ。ありものだけど許してくれ」

「そんなに気を使わないでください。押しかけたのは悪いと思っています。でも約束したじゃないですか」

約束?…あ。

「いや、そのー。具体的に何時からか聞いてなかったからー…すみませんでした」

「罰としてこのぶどうジュースは私が頂きます。のぞみさんは水道水でも飲んでください」

元々あげるつもりで持ってきたんだけどそれで良いなら良いか。聴きたいこともあるし。

「それで。なんでここが僕の家だって知ってたんだ?」

「斎藤先生に聞きました。文化祭実行委員の仕事についてお話したいから、とお願いしたらあっさり教えてくれました」

個人情報をあっさり教えてしまう教師って雇っていて大丈夫なんだろうか。色々通り越して僕の事より斎藤の今後が心配になってしまう。

「綺麗にされているんですね」

「橘さんよりはね」

「どーゆー意味ですか?」

あの空き教室が片付いていると思っているのか。
橘さんの部屋がいろんな意味で気になってくる。

「のぞみさんはまだ橘さんなんですか?」


「いや僕女性の事下の名前で呼んだことないんだよ」

「ふーん?」

何かがご不満なお姫様。
そんなに呼び捨てが重要なんだろうか、分かればどんな呼び方であろうといいだろうに。

「…わかった。それなら乃愛、さん」

「さんー?」

「…乃愛、、これでいいだろ」

めちゃめちゃ恥ずかしいんですけどなにこれ。橘さ、乃愛の顔見れない、向こう絶対変だって思ってるでしょ。
なんかずっと黙ってるしやっぱり僕なんかが余計な事考えない方がよかった。

「…えっと…その、なんだか照れますね」

「…会議はじめよっか」
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