【コミカライズ】「石油王にオレはなる!」 ~極上(プラチナ)御曹司と溺愛出張いってきます!!~
大きな噴水が光に照らされて、水が弾け飛んでいる。まるでギリシャ神殿のように大きな円柱の立つエントランスを抜けると、高い天井のホールの奥に扉が開かれていた。セキュリティチェックを受けると、中にあるカジノに案内される。

『オレにはシャンパンを。彼女にはスパークリングウォーターで』

 ドリンクを頼んだ彼は、会場内をざっと見渡した。私にとっては知らない人ばかりだけれど、彼が来たのは遊ぶためでないことは知っている。

「私もシャンパンでいいですよ?」
「……ダメだ。君は飲むと可愛くなりすぎるから、二人きりの時以外は禁止だ」
「はい?」

 そんなことを言われるなんて心外だ。確かに以前、秘書課で開いてくれた歓迎会にやってきた社長は、酔った私を見て顔をしかめていた。だからきっと、これも彼の嫌味なのだろう。内心膨れながらも、ウェイターからフルートグラスを受け取った。

「うん、美味しい」

 初めての場所とあって、緊張していたのだろう。冷たい水が喉に嬉しい。炭酸もきつくなくて、飲みやすい。

「誰を探しているんですか?」

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