派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
 一応、バルクド様は私達に付き添おうとしていた。しかし、私達が断ったのだ。別に、大丈夫だと。
 王族や貴族といった立場にある彼らは、体裁のためにも授業を休む訳にはいかない。そういった事情もあって、バルクド様には授業を受けてもらっていたのである。

「バルクド様、リオーブ様、私達は大丈夫です。ただ、メルティナは少し疲れているみたいで……」
「え? あ、あの、アルフィア様……」
「隠しても無駄よ、メルティナ。あなた、今日はキャロムとの試合から本当に色々とあったじゃない。疲れていないはずがないわ」
「そ、それは……」

 私の言葉に、メルティナは少し怯んだ。それは、私の指摘が図星だったからだろう。
 とりあえず、彼女には部屋で休んでもらいたい。もう授業も終わったのだし、帰ってもらった方がいいだろう。

「私は、学園でまだ少しやりたいことがあるので、お二人で寮の方まで送っていただけませんか?」
「それは、構いませんけど……アルフィアさんは、どうされるのですか?」
「えっと……実は、調べ物がしたくて。どうしても、今日じゃないといけないんです」
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