派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「しかし、どうやら、ここが年貢の納め時ということのようですね。あなた達にばれてしまった以上、私はもう終わり……」

 そこで、ファルーシャは自らの体にその手の平を向けた。言葉から考えると、それは諦めた自分に魔法をかけようとしているように見える。
 もしかしたら、自分に魂奪取魔法をかけようというのだろうか。今までのことから考えるとその可能性が高いはずだ。

「うっ……!?」

 だが、彼女が自らに魔法を行使することはなかった。なぜなら、その手の平が突如床に向けられたからだ。
 それは、明らかに本人の意思ではない。何者かが、彼女の手を無理やり下に向けた。そんな動きだったのだ。

「まだ話は終わっていませんよ」
「なっ……」

 それを実行したのは、メルティナだった。彼女はその多大な魔力を使い、ファルーシャの体を操ったのだ。

「ば、馬鹿な……この私が……」
「申し訳ありませんが、動きを止めさせてもらいました。勝手なことをされると困りますからね」
「う、動けない……」

 ファルーシャは必死に体を動かそうとしたようだが、その体は一切動かない。それ程に、メルティナの拘束力が高いのだ。
 ここまで色々なことをしてきたはずのファルーシャでさえ、メルティナには及ばない。そんな光景を見て、私は改めて彼女の魔力が強大であるということを実感する。
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