派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「キャロム、あなたにはこの迷宮を抜け出す手段が、もう見えているの?」
「手段は単純だ。僕は今から、この迷宮を破壊する」
「破壊? それは、どうやって?」
「空間を引き裂く魔法を使う。それで、この迷宮に大きな亀裂を開けるんだ。多少の穴なら塞がるけど、大きな穴を開けると空間は崩壊させられる。すると、中にいる僕達は外に放出されるという訳さ」

 キャロムは、体に魔力を集中させていた。私にもわかる程に莫大な魔力が、彼の体を包み込む。

「キャロム君、それは本当に大丈夫なのか? なんというか、ここが壊れたら、俺達も引き裂かれそうな気がするんだが……」
「今、僕達は箱の中にいるようなものだと考えてくれ。その箱を内側から壊したとしても、外に出るだけだ」
「な、なるほど……よくわからないが、そういうことなんだな」

 キャロムの右手に、魔力が集中していく。その魔力は、刃の形に変化する。彼は、言葉の通り、空間を引き裂くつもりのようだ。
 彼は、少し苦しそうにしている。恐らく、かなりの魔力を使っているのだろう。
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