生贄教室
疲労が蓄積しているせいか、目の下にクマができている。
少しでも眠りたいんだろう。

「それなら俺が一緒にいく」
手を上げたのは仁だった。
いつもふたりと一緒にいる理沙は床に座り込んで目を閉じたまま、動かなかった。

妙子と仁がふたりで教室を出ていくのを見送って美麗は椅子に座った。
恵子が生贄になって以降みんな静かだった。
人数がどんどん少なくなっていることに加えて、恵子の本性を見てしまったショックもあっただろう。

それでも時間は刻々と進んでいく。
昂輝が時計を気にして確認すると、11時10分だ。
あと50分もすればまた次の生贄を差し出さないといけなくなる。

一体、いつまでこんなことを続けないといけないんだろう。
もしかしたら残っている7人全員がいなくなるまで……?
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