生贄教室
そう考えて強く頭をふって考えをかき消した。
そんなことはない。
絶対に助かる。
そう思わないと、とてもやっていけなかった。

「毛布、持ってきたよ」
妙子と仁の2人が薄い毛布を配り始めた。
美麗と昂輝もそれを受け取り、床にひいて横になる。

体を横にして伸ばすことで随分とスッキリした気分になれる。
「眠れそうにないね」
「あぁ。さすがに無理かな」

体も心も疲れているけれど、安眠できる気はしなかった。
次の生贄のことも化け物のことも考えないといけない。

眠気は遠いところにある。
「毛布って気持ちがいいね。家に帰った気持ちになれる」
郁がふっと息を吐き出して呟いた。
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