年上の彼女

体育の授業

「おい!
戸田、真面目に走れ」

今日の体育の授業はきつい
体育教師の堀田徹がうるさいのだ

授業はバスケだ

適当にやっていた俺に
厳しく当たってくる

こいつが
先生の憧れの先輩だ

俺には鬼教師にしか見えないけど

きっと悦子には優しいのだろう

「それでも元バスケのエースか?」

小声で俺の耳元で呟いた
俺は堀田を睨む

「こんなボールも奪えないのか?」

バスケットボールを
俺の顔面に当ててきた

目の少し上に当たり
ボールがあさっての方向に飛んでいった

「だから?」

「真剣にやれ」

面倒くさい
機嫌が悪いからって
俺に当たるなよ

昨日、悦子が断ったのが
尾を引いているのだろうか?

抱けると思った女に振られて
苛々しているのだろうか?

だからって生徒にヤツ当たりしてほしくない

「1対1をやってみろ」

堀田が勝負を挑んでくる
バスケ部の顧問をしていた気がするが…

俺はつくづくバスケ部の顧問とは
そりが合わない

父親もしかり
この男も…

面倒な奴らだ


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