エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「困ったな。今年の君の予定は、全部俺で埋めるつもりだったんだが」

「どこか出かけるの? 身軽なうちのほうがいいもんね」

「どこにも行かない。君をかわいがりたいなら、ベッドがあるだけで充分だからな」

「またそうやって」

 北斗の手が私のお腹に触れる。

 まだふくらみは目立っていないが、これからどんどん大きくなるだろう。

 なにせ、父親は百九十センチ近い身長なのだ。私に似るのでなければ、お腹の中にいる時点で大きいに違いない。

「名前、ちゃんと考えておいてね」

「女の子だったら困るな。〝純美〟以上にかわいい名前を知らないんだ」

 父親になっても北斗は北斗のままだった。

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