エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「ふたりには聞かせないほうがいい話だと思うが、違うのか?」

 彼の言葉はいちいち正論だ。

 もしも五年前の話をするつもりなら、両親には聞かせないほうがいい。

「……どうやってうちに入ったの?」

 先日のようにキスされないよう、可能な限り北斗から距離を取って問う。

 部屋の隅まで逃げた私を見て、彼はくっと声をあげて笑った。

「別に不法侵入したわけじゃない。普通に玄関から入った」

「だからどうやって? お母さんたちになんて言ったの?」

「当ててみろ」

 北斗は無理に私に近づこうとせず、ドアにもたれて腕を組んだ。

 その顔には笑みが浮かんだままだ。私を混乱させて楽しんでいる。

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