エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 日常生活では使われない言葉を復唱すると、身体の力が抜けた。

 すとんとベッドに腰を下ろし、今度は声に出さず『復讐』と心の中でつぶやく。

「そのためにまた、私の前に現れたの……?」

「まさか。ホテルで会ったのは偶然だ。俺も君も仕事だった」

 確かに、ホテルでサポートスタッフが必要になったのは急な話だった。

 頭が復讐という言葉の意味を理解するにつれ、じくじくと胸の内が痛みだす。

「……結婚したって、復讐になんかならないよ」

 彼との結婚は、ほかでもない私が望み続けた悲願だ。

「俺が満足するまで、君の人生を縛らせてもらう。利用させてもらうといったほうがいいか」

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