エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「私に利用価値があると思う?」

「少なくとも妻がいれば、冷たいベッドで眠る必要はないな」

 その言い回しに首を傾げると、北斗はふっと笑った。

「温めてくれるんだろう?」

 ベッドも、俺も――と言外に匂わされ、かっと顔に熱が集まる。

 癖のある物言いは彼の海外生活の長さを示しているんじゃないかと、かつて思ったのを思い出した。

 北斗はどこの国に行っても日常会話どころかスラングまで使いこなし、性別や年齢問わず友人を作るような人だ。ある意味外交官は天職だっただろう。

「そうしたいなら結婚までする必要はないんじゃない?」

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