エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 北斗は考えた様子を見せると、長い指で自身の形のいい唇を示した。

「一日一回は、君にしてもらおう」

 余計なことを言わないほうがよかったかもしれない、と思ったけれど、もう遅い。

「……それはいつでもいいの?」

「今日の分は今がいい」

「……わかった」

 私は彼の復讐を受け入れなければならない。

 どんな理不尽であっても、どんなに――うれしいことであっても。

「目を閉じてくれる?」

 北斗の前に立ち、背の高い彼を見上げる。

 曇りのないきれいな肌が目についた。

 体質的にひげが生えないらしいせいか、日々手入れに勤しんでいる私と同じくらい滑らかなのがなんとなく悔しい。

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