アラ還は、もう恋しちゃだめなんですか?
先生は車で迎えに来てくれてて、
「来る?」…、と。
初めの頃とは明らかに違う先生。
この2日間、色々あったし、色々話したい。
週末は遅くなったけど予定通り一緒に過ごそう。

泊まりかなぁ…、意識し過ぎは判ってる。
それでも部屋に入ると少しずつ緊張してきた。
デリバリーの夕飯を食べながら旅行の話、お土産の話。
御義母様とお友達になったのには驚いてたけど、ずっと横で聞いてくれた。

「疲れただろうからお風呂入っておいで、その間に片付けとくから。
着替えなんかは風呂場のキャビネット一番下」
いつの間に準備してくれたんだろう。
この前買った物やタオルなんかが入っていた。

片付けも手伝わず、お言葉に甘えて先にいただく。
『仮の…』とか『大人の…』とか言ってたけど緊張マックス。
どうしよう。
上がったらどんな顔をしたらいいのか…。
そんなことを考えてたのに、

「疲れてたら先に休んでて…、寝室はこっちだから」と。
先生はお風呂に消えていった。

先生は処置室のベッドを案内するように普通に言った。
緊張しているのは私だけか。
少しはほっとしたけれど、
いくら疲れてても、同じベッドでは緊張して寝られない。
そうだ、先日処方してもらった眠剤を飲もう。

これで大丈夫!
先生が上がってきた。
「未だ早いけど、寝る?」
良かった、寝られる。
 
広いベッドは二人が寝ても充分の広さ。
横になってた私の隣に腰かけて、「今日は疲れた?」
私の前髪を掻き上げて、揶揄ってる。
「寝れそ?」って、顔面どアップで聞いてきて、
スペースがあるからもう少し離れてほしいんだけど。
どきどきして落ち着かないし、本当なら絶対寝られない。
良かった、飲んでおいて。
「眠れそうにないから眠剤を飲みました」
先生は一瞬フリーズして、私は抱きしめられて、そこからの記憶もなく気持ちよく眠りについた。

翌朝目を覚ますとどアップの先生の顔が。
「…はよ」
寝起きなのにカッコイイ!
伸びかけのヒゲはセクシーで
はねてる髪はわんこの耳のようで可愛い。
いや違う。何を見とれてるんだ。
明るいから余計に恥ずかしい。
早く着替えないと。
なのに動けない。しっかり先生の腕でホールドされている。

「ねぇ、昨日から気になってるんだけど、お袋は名前で呼んで、俺は先生?」
「それは礼子さんがそうしてほしいと」
「んじゃ、俺は匠で」
えー、呼び捨て無理です。
「呼んで」
急に私の上に乗り、耳元で「呼ぶまでいつまでも待ってるから」…と。
先生の指が耳の後ろから滑って唇に、もう片方の手のひらがパジャマの中に入ってきた。 
また違う匠先生が降臨した。
あー、私はおもちゃじゃない。
色気がないのは判ってる。でもそんなに苛めなくても良いじゃない。

パジャマの中の手のひらがお腹の辺りに、そこへ豪快なお腹の虫がやってきた。
恥ずかしいけど助かった。
先生は力が脱けて、そのまま乗ってきた。
『続きはまたあとで』とか言いながら。

先生は基本、朝食は食べないようだけど、私のお腹の虫が騒いだから付き合ってくれたんだと思う。
ほぼ空っぽの冷蔵庫に食べるものはなく、コンシェルジュにお願いすることに。
下のカフェから焼きたてパンやジュースが届く。
こんな生活に慣れたら大変だ。

テーブルでパンを囓りながら、だんだん会話が少なくなり緊張が。
お喋りな先生、無口な先生、どれが本当の先生なのか分からない。

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