危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

「あの娘を、君が籠絡するのはどうだ。ははっ! それこそ安い昼ドラみたいだが、うまくいけばもっと宝来の悪事が暴けるし、復讐者に娘を奪われたらさぞかし愉快だろうな」

 怒りと嫌悪に頭に血がのぼる。

「もうあんたと組むのはおしまいにしたい」
「そりゃまたどういう風の吹き回しだ? まぁいい。お前さんがいなくても、もう導火線に火をつけるだけだ」
「どういうことだ」
「別ルートから、宝来の汚職の証拠を手に入れた。うまくやれば10年に一度あるかないかの大スクープになる。これでお前さんの両親の無念もはらせるぞ」

 けらけらと北田の笑う声が空虚に響く。

 ──悪は滅びるべきで罪は償うべきだ。

 そう思っても、すみれの顔がちらつく。
 復讐だけを目的にしてきた蓮の心が今揺らぎ始めている。
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